保険調剤薬剤師が身につけておくべき知識
疾患知識
本疾患はいくつかの原因があり、この病態を理解するためには基礎となる自律神経の働きや血管収縮のメカニズム、動脈硬化や血栓形成について理解を深める必要があります。
自律神経の働きでは心臓や血管でのα、β受容体およびムスカリン受容体の作用について理解しましょう。また心臓、血管以外の臓器についてもこれらの受容体での影響を理解しておくことは薬剤の副作用を予測できますので把握しておきましょう。
動脈硬化や血栓形成のメカニズムを理解しておくと、治療薬の作用機序や使い分けがわかりやすくなります。
病態では狭心症と心筋梗塞の共通点と相違点を理解しておきましょう。
狭心症では発生機序と症状経過の2つで分類されることを知っておきましょう。
本疾患では不整脈同様、心電図に特徴が現れますで、その特徴や成因を理解しておきましょう。
また、臨床検査での鑑別ができるので、これらの知識も持っておきましょう。
治療知識
本疾患の治療では非薬物治療が進歩しています。冠動脈インターベンションや冠動脈バイパス術について概要を知っておきましょう。
薬物治療は病状の進行予防や術後の再発防止が大きな目的になります。
薬物治療は多彩で、色々な薬効の薬剤を何種類も組み合わされて投与されています。
それら一つ一つの役割を理解することは服薬指導において大切なことであります。
- 発作に使用する薬:即効性硝酸薬(ニトロール、ニトロペンなど)
- 発作を予防する薬:持続性硝酸薬(アイトロール、フランドル、各種テープ剤など)やシグマート(ニコランジル カリウムチャネル開口薬)、βブロッカー、カルシウム拮抗薬
- 動脈硬化を予防する薬:高脂血症薬(リピトールやメバロチンなどのスタチン系)抗血小板薬
- 心不全を予防する薬:ACE阻害薬、ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)
- 心筋梗塞急性期治療:血栓溶解剤
服薬指導や経過モニタのポイント
即効性硝酸剤では舌下の手技習得が必要になります。
また使用後のふらつきや頭痛などへの対応についても指導しましょう。
持続性硝酸剤(とくにテープ剤)では耐性発現から休薬することがありますので、チェックしましょう。
抗血小板薬などの抗血栓薬では出血や内出血でのモニタが必要です。
さらに、抜歯や胃カメラ、手術など出血を伴う処置での休薬への対応にも配慮しましょう。
コンプライアンス遵守、アドヒアランスの向上は慢性疾患に共通したものでありますが、
本疾患では生命維持に直結しますので、しっかりモニタしてきましょう。
血圧管理や食事、運動、禁煙、適量の飲酒も大切ですので指導していきましょう。
臨床問題にチャレンジ ~あなたは答えられますか?~
66歳男性。労作性狭心症のため、2週間前にカテーテル治療(PCI)をうけてステントを挿入されました。
その後退院し、外来受診になりました。
現在の処方薬
クロピドグレル75mg 1日1回 朝食後 1回1錠
バイアスピリン100mg 1日1回 朝食後 1回1錠
アトルバスタチン10mg 1日1回 朝食後 1回1錠
本日の検査結果
LDLコレステロール 122mg/dl HDLコレステロール 53mg/dl
TG 110mg/dl 空腹時血糖 90mg/dl
Hba1c(NGSP) 6.0%
問1 本症例に関する記述のうち、正しいものを2つ選んで〇を付けてください。
( )脂質検査は全て正常のため、アトルバスタチンは中止する。
( )血糖コントロールが良くないので、経口糖尿病薬の追加が必要である。
( )クロピドグレルの血小板凝集抑制作用はCYP2C19遺伝子多型により変動する。
( )消化性潰瘍の副作用に注意が必要である。
( )抗血小板薬の2剤併用は臨床上、あまり意味がない。
問2 問1の症例で心房細動の合併によりワルファリンカリウム1mg 1錠 1日1回(朝食後)が追加されました。
a) ワルファリン投与の目的を簡単に答えてください。
b) ワルファリンの初回投与での服薬指導で患者に伝えておくべきことを3つ挙げてください。
c)2週間後の再診で、ワルファリンカリウム1mgが1.5錠に増量されました。
PT-INRは1.2でした。
患者は「また病気が悪くなって薬が増えた」と嘆いています。
どのような声掛けをしたらよいか答えてください。
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