保険調剤薬剤師が身につけておくべき知識
疾患知識
脳血管障害は一般的にいわれる脳卒中のことで、クモ膜下出血などの出血性のものと、脳梗塞などの虚血性のものがあります。
それぞれ原因が異なり、治療法や生活上の注意点にも違いがあります。
これらの病態について整理しておきましょう。
脳血管障害の診断ではCTやMRIが有用でありますが、それぞれの利点と欠点、使い分けを理解しておきましょう。
認知症を引き起こす原因疾患は70種以上あると言われていますが、代表的なものは、
アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の4つであり、
約6割がアルツハイマー型認知症であります。
これら4大認知症の発症メカニズム、原因、病態の特徴や症状、経過を整理して覚えておきましょう。
認知症では中核症状と周辺症状(BPSD)に分けられます。それぞれの特徴についても理解しておきましょう。
脳血管障害・認知症では今後在宅医療がメインになってきます。地域包括ケアシステムや他職種連携などでは保険調剤薬剤師にも役割が期待されていますので、これらの疾患の知識習得が不可欠になってくるでしょう。
治療知識
脳血管障害の治療は急性期と慢性期で大いに異なります。
調剤薬局においては再発防止など、慢性期治療にかかわります。
しかし、患者様の経過を知る上で、急性期で、どのような治療が行われたか知っておくべきですので、急性期治療での概要程度の知識はもっておきましょう。
認知症では病型において治療が異なります。アルツハイマー型認知症の治療薬であるコリンエステラーゼ阻害薬を前頭側頭型認知症に処方しますと、病状が悪化することがあります。
それぞれの認知症での適切な治療や薬剤の使い分けを理解しましょう。
服薬指導や経過モニタのポイント
脳血管障害では基礎疾患である高血圧や糖尿病、高脂血症などのコントロールが再発防止に大切ですので、モニタしましょう。
脳梗塞では抗血栓薬が用いられますで、出血、内出血、下血のモニタを行います。
再発防止では脱水予防が大切ですので、飲水状況も確認しましょう。
後遺症で手にしびれや麻痺あるいは嚥下困難がある場合、脱ヒート・一包化や粉剤など製剤的工夫の必要性がないか検討しましょう。
認知症では服薬管理者を確認しましょう。本人の場合、病状進行によりコンプライアンスの低下や飲み間違いが起こってしまいますので、モニタしましょう。必要に応じて一包化の提案や家族やヘルパーなどへの服薬の見守りを依頼しましょう。
治療薬のコリンエステラーゼ阻害薬は初期に食思低下や悪心、不眠や興奮を生じることがありますので、モニタしましょう。
認知症では患者家族(介護者)のフォローも必要です。愚痴を聴いたり、話相手になることも大切です。
OABなどの治療目的で処方される抗コリン薬が認知症を悪化させることもあるので、併用薬は必ず確認しましょう。
BPSDに対して、抗精神病薬や抗うつ剤など精神科領域の薬剤が処方されることもありますで、錐体外路症状やセロトニン症状など副作用のモニタをしましょう。
臨床問題にチャレンジ
70歳女性 物忘れや活動低下があり、受診。脳の精査などからアルツハイマー型認知症と診断され、家族が来局。処方は下記の通り。
アリセプトD3mg 1錠 1日1回 朝食後 14日分
問1 アルツハイマー型認知症の病因、病態として、最も適切なものを
下記より2つ選んで番号に〇を付けてください。
1 急激に発症する。
2 安静時振戦が現れる。
3 まだらボケを呈する。
4 幻視がみられる
5 初期には短期記憶が障害される。
6 中核症状として徘徊がある。
7 前頭葉を中心として全般的に脳の萎縮が認められる。
8 老人斑が認められる。
9 日本人が最初に発見した。
10 脳内コリン作動性神経系に著しい亢進を認める。
問2 本患者の家族への服薬指導(初回)で確認すべきこと、
伝えておくべきことを5つあげてください。
問3 2週間後、家族が来局。アリセプトD5mgへ増量されました。
確認すべきこと、伝えておくべきことを5つあげてください。
問4 3ヶ月後、リバスタッチテープへ変更になりました。
処方鑑査でチェックすべき点を1つあげてください。
問5 10ヶ月後、メマリーが追加になりました。患者の認知症はどのような
状態が予測されるか簡潔に答えてください。
またメマリーの作用機序と副作用を簡単に説明してください。
予測
作用機序
副作用
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